S's case

日々の暮らし、夫との戦いの記録

未練というの?





娘の友達とお花見をした。
去年まで住んでいたところで、夫のいる前の家はすぐ近くにある。





そのエリアは山手にあって、所謂高級住宅街と言われる地域。
ここに住みたい、という、夫の強い希望で背伸びして中古住宅を買った。





川沿いには綺麗な桜並木。




桜が終わると新緑も映えて、秋には紅葉が綺麗になる。
住宅街の中には銀行や郵便局、支所、小児科や内科、歯医者、整形外科などの病院もあり、洋菓子屋さんやカフェもいくつかある。
駅も高速道路のインターも近く、どこにでも気軽に出かけられた。
小学校や中学校は県内で1番とか2番とか言われる学校。理想的な街だった。







引っ越して一年が経つ。
未練があるのはこの環境。






学校のレベルも暮らしやすさも全然違う。
あまりの違いに、わたしも子供たちも慣れず、長女は不登校になった。
環境も子供に大切なんだと痛感する。
本当にいい街だったんだ。





でも、現実は隣の芝生が青く見えたのだ。
家は築30年以上経つ中古物件、当時リフォームして住んだが、もう15年以上になるし、そろそろメンテナンスが必要。屋根も外壁も限界を越えていたし、給湯器も取り替えが必要だった。
ガラストップコンロは夫が割ったままだし、オーブンレンジはオーブンが使えなくなっていた。何よりお風呂場やその裏の壁からシロアリらしきものが出始めていたのを、コーキングで目地を埋めて見て見ぬ振りをしていた。




あの家での暮らしは限界を迎えていたのだ。









わたしだけ過去を引きずっても仕方ない。




次男も長女も必死に今の学校でがんばっている。



供たちが小さい頃お世話になったあの街とはもうお別れしないといけないのだ。

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